銀座杯

大きく踊るという事は?

大きく踊るを簡単に言ってしまえば「無駄の無いように」です


ルーティンやプログラムはステップの集合体で、ステップは1歩の集合体
銀座ソシアルダンシングアカデミーのワルツの初級ルーティンは、46歩の集合体で出来上がっています


例えばこれは極端な例ですが、その1歩で5cmづつ無駄が有るとすると、5×46=2.3m動きが小さくなります


1歩ずつの役割は当然のことながら違い、またその1歩に適した大きさが一人一人あるのです


うんていです 何度か登場しています


イラストのは2本抜かしですが、いつも片手は棒を掴んでいるので安心して次に行けます
でも、坊やがもう1本欲張るとすると、手が届かないので飛び付くでしょう 多分落下!


社交ダンスは床が「うんてい」です
社交ダンスで大きく動くというのは、飛び付かない範囲で床という「うんてい」を利用する事です



オープン戦ラテン短評④

ジャイブ


優勝 85番 リズミカルで軽やか
この男子は教室に入会してすぐ社交ダンスパーティーのミニデモで、ジャイブを選んだくらい、ジャイブ命!
何度もこの男子のジャイブのオナーダンスを見ましたが、今回は出色の出来栄えです
教室での練習時間は十分に無かったはずなのに、二人がシンクロしていて良くリハーサルされたように見えました
女子はチャーミングでキュートなダンスを披露しました


2位 80番 
観客に見せ方を知っている数少ない男子で、この種目でそれを発揮していました
パートナーに集中し、音楽に集中し、そして観客にアピール!この3変化が見て取れました
女子に関しては・・・順位の12122が表すように良く床を捉えて踊っていました


3位 92番
この男子は音楽的な表現が抜群でジャイブ特有の三連符を良く表現していました
女子はリラックスしてのびのび踊れていましたし、まじめな性格で教室で習ったことを忠実に実行しようとする姿勢は好感が持てます! もっと練習してどの種目も、のびのび踊ってください


次回はチャチャチャですが、ほぼ今までの表彰台メンバーなので、今回が最終回です。



オープン戦ラテン短評③


ルンバ


優勝 85番 初級ルンバも上級ルンバも難なくこなす
この組の男子はサンバにも書いた通り、社交ダンスの基本の体を通したリードが秀逸で、女子に的確に次のステップ・タイミング・方向づけを伝えます それは女子が安心して自分自身に集中して演技できるという事になり、この男子と踊ったどの女子も自然の笑顔がこぼれていました  後日書くであろうジャイブの女子も良い笑顔でしたよね!
女子は下半身の使い方が完璧で、証拠にあの短いドレスを着て脚が割れて見えない 他の女子も見習ってください


2位 84番
この組の男子はボディートーンが強く大勢の中に入っても目立ちます 社交ダンスのコンテストは大勢の中から抽出するのでボディートーンの強化は必須です 
去年のクリパのミニコンペでも種目は異なりますが、審査員から良い評価をもらっていました
女子はゴールドの常連で踊るのが「楽し~い」と見えました


3位 97番 表現しようと頑張った挑戦者
この組は男女共に何かを表現しようとして踊っているのがとても良かったです
ステップをこなす、音に合わせるは普通の社交ダンスで、この会は競技ダンス!


次回はジャイブ P3はエキジビションマッチなので短評はありません




オープン戦ラテン短評②

パソドブレⅡ


優勝 97 そのパソドブレは沸き立つようだった
パソドブレの基本は意外にもスタンダードで、床に垂直立つ綺麗な姿勢とシェイピング(形)が求められるので、スタンダードの得意な人は有利に展開します
この組の男子は闘牛士の気迫をよく表現していて、フルパワーで踊るその心構えは他の人も心がけて欲しいところです 女子もその緊迫感をよく表現していました
その思いは灼熱の国アラビアンナイトのジャスミン


2位 82 静けさを表現したパソドブレ
パソドブレは闘牛を模写した社交ダンスで「男子の踊り」というイメージがありましたが、百々ちゃんと今回の97番女子と82番女子の出現で「女子の踊り」となった感じがします 97番女子の沸き立つような踏風と、82番女子の全てを内に秘め辺りが静まり返るような踏風は、好対照で甲乙つけがたく最後まで悩みました
栄子先生と恭子先生が帰りの車中でパソドブレⅡの話になり「82番が優勝じゃなかったのは、意外!」と意見が分かれた事も、その事を物語っています
この女子の静けさを表現するならば、アレンデール王国の王女エルサ


3位 92
この組の男女については書き尽くした感があるので短評は省きます


次回はルンバ



オープン戦ラテン短評①

サンバ


優勝 82番 ひと味違う床を使った流れない踊り
以前の銀座杯で踊られたサンバはスローフォックストロット同様に劣悪でした
それから強化種目としてスローは中級後半から受講できるようにし、サンバきめ細やかな指導を
心がけた結果が今回のサンバとスローに現れていました
サンバはどのように劣悪だったかと言うと、バウンスを表現しようとして、ピョコピョコ跳ねる

優勝したこの組は、床に「びたー」と吸い付くように足で踊っていました 足で踊れるようになると、あらゆるコントロールが可能になり、リズム表現やスピードの緩急などなど本当の意味での表現力が身に付き踊りに陰影がつきます
社交ダンスは舞踏で舞踊ではありません だから舞わずに踏む(足で踊り)のです


2位 85番 コネクションという一体感のある大きな踊り
この組の特徴は腕を通したリード&フォローで、二人のコミュニケーションがよく取れていました これは他の分野のダンスでは絶対に出来無い事で単に1+1=2ではなく1+1=3,4,5・・・と広がり、踊りを大きく見せてくれます


3位 97番 会場が小さく感じた迫力
この組の表現力には会場が小さいようで、プロが試合で使う日本武道館級の会場が必要です
思いっきり良く踊りサンバの能天気さは見えました


次回はパソドブレⅡ


 



オープン戦スタンダード短評⑤

ワルツ


優勝 92番 予選から頭一つ抜きん出た踊り
社交ダンスの審査をしていて一番楽なのは目に飛び込んで来るカップルが居るときです 逆に大変な時は、拾うカップルを探しての審査です


この組は予選時から目立っていました 何故かというと男子の踊りのベースがヘリコプターだからです
ヘリコプターは下方(地面方向)に風の圧力を掛けて機体を持ち上げます 良い踊り手は床に圧力を掛け続けて体が床に落ちないように踊ります それは踊りを明るくキラキラさせます 逆に未熟な踊り手はロアーする時に落ちます、それこそヘリコプターなら墜落!


女子はラテンが好きというイメージが強いのですが、スタンダードも達者になりました 以前はラテン、スタンダード共に踊り過ぎて忙しく見えましたが、自由でいてシッカリ見える!2年の間に本当にお手本のような女子に成長してくれました!


2位 93番
ワルツという踊りはワンビート、ワンスイングと言って1小節を1つのスイングで踊り切りますが、3歩に見えるカップルが多かった
この組の男子は、部活のレポートでそのことに触れていましたので、スイングという概念を理解して踊っているのでしょう!
スイングをすると女子と動きの共有が出来、一体感を持った踊りができます スタンダードの醍醐味はこの一体感にあり、破綻なくスムーズに踊る源流です


この女子もそれに答えるだけの能力を持ち合わせています


3位 82番
男子は4年前に92番の応援で古石場に来て、92番に遅れること1年3か月で入会
4年間で随分と成長しました
とにかく緻密!この緻密さを持った踊りは他に比べるものがなく独自路線で、踊り手として身に着けるべき全てのものを着実に手に入れています 


女子は言い尽くしましたが、踊りに対しての自我のようなものがなくなり、その自我がフォ
ロー術として見えるようになりました 


次回はサンバ



オープン戦スタンダード短評④

スローフォックストロット


優勝 90番 93番 2組の踊りは上質かつ滑らか


スローフォックストロットという踊りは、ゆったり流れる大河と言われています
チョロチョロ流れる小川や急流ではありません
それには4拍子(SQQ=2拍・1拍・1拍)を3歩で踊る技術が必要で、それを可能にするのは強靱な足腰です
Sカウントの2拍が上手く取れず短くなり、表現がワルツ的な3拍子のカップルばかりでしたが、過去の銀座杯でスローフォックストロット審査不可ということも有りましたから、この2組の踊りは大収穫でしょう!


90番の男子のリバースウェイブは淀むことなく大河の流れを表現していました
社交ダンスで最後に上達するのが男子の後退歩で、それが上手く踊れると言うことは他の動きもOKと言うことになります


90番女子は自らの女子ラインを壊さないで踊る形を超えた、流動美の有る形(ホールド)をどうやら身に付けたようです


93番男子は几帳面な踊り方が好感が持てます 
以前に比べカラダの格パーツが正しい所に置かれ、それが良く機能してスタンダード3種目ゴールド表彰台、残り2種目ゴールド入賞というは立派です
カラダを凄く鍛えてきているなーというのは踊りから感じ取れました


93番女子は男子にごく近くで踊ることが出来る女子です
その事は大回りが避けられる意味でカップル間の隙間が空きませし、たとえ男子が失敗しても直ちに穴埋めが可能で、カップルバランスが「金太郎飴」になっていました
その事をこの女子は普通のことのように、やってのけます


次回はワルツ




オープン戦スタンダード短評③

タンゴ


優勝 90番 何も足さない、何も引かない見本のタンゴ


この組の男子はオープン戦3種目目という事もあって落ち着きが出て、安定感があり力強く踊り、女子も女子ラインをシッカリ保ったまま「出しゃばらず」そして「遅れることなく」奇麗にフォローしていました
カップルとして機能していて自然に目に入ってきます
特筆すべきは男子の右サイドで、首から切り離した右ホールドを持っています
これは女子に踊るスペースとフォローする時間を作り出します


2位 97番 踊ったタンゴはスピード違反

スピード違反的なタンゴでしたが、女子のフォローが良く破綻することなく迫力を持って踊り切りました
この女子は確実に進歩しています


3位 92番 社交ダンスのお手本のようなカップルハーモニー

タンゴの音楽はスタッカートと力強さがあり、バッシン・バッシン・切れ切れ踊りそうですが(実際そう踊るカップルが多かったですが)この組は「静と動」を一つの足型づつ踊ていたのでスーと動き、清潔感のあるタンゴを披露しました
イギリス人のタンゴはこの踊り方で、流石1番弟子!


次回はスローフォックストロット



オープン戦スタンダード短評②

ヴェニーズワルツ


優勝 97番 他のカップルを圧倒した大きなスイング


この組の男子はともすると主張が強くなりすぎ、女子を忘れオーバーアクションになる傾向がありますが、予選・決勝共に女子を正確にリードし、男女の入れ替えがスムーズに行われスピード感のあるダンスを披露したいました
リバースフレッカール、ナチュラルフレッカールも回転量が有り見ごたえがありました
但しオナーダンスはオーバーアクションになり、女子がフォロー出来ない場面が見受けられたのは残念!


2位 93番


この二人を競技という場面で2年ぶりに見て、長足の進歩が見られました
男女共に、2年前踊りに幼稚っぽさが見られましたが、シッカリした隙のない身体に仕上がってきました
進歩した所は具体的に「社交ダンスは金太郎飴」どこから切っても「金太郎」 つまり最初の形が「美しく」その組んだ形が最後まで変わらず、どの場面を切り取っても最初と同じ形に見えた事

ヴェニーズワルツという社交ダンスは
ナチュラルターン、リバースターン、チェンジステップ2種、リバースフレッカール、ナチュラルフレッカール、コントラチェックの8ステップしかなくとてもシンプルで踊り手の素の技術が表に出やすい種目で、一つの例が、音楽の演奏が早いので、ウェイトチェンジを速く行なわないと重いダンスになり、暗い表現のダンスになってしまいます


次回はタンゴ



オープン戦スタンダード短評①

クイックステップ


優勝85番・87番 
無重力を表現したクイックのお手本


どっしんバッタン踊るカップルが多い中この2組はシッカリ身体を持ち上げてスイスイ踊っていました


85番の女子は怪我からの復帰で1年ぶりのダンスでしたが87番女子同様に女子ライン・ホールドが保持されていました


オナーダンスを見て87番が若干優位に感じたのは比較対象しながらの審査の面白さです


社交ダンスではなく競技ダンスとして踊るステップを考えると,3回くらい練習して踊りこなせないステップは,省いた方が競技は有利に展開します


次回はVw